稲城の梨生産組合 押立支部では、小学生に梨つくり体験を通じて学習を高めてもらう活動をしている。
この活動では毎年、稲城第四小学校3年生に花粉付け(人工授粉作業)、袋掛、収穫という作業を、実際の畑で体験させている。
新学期が始まったばかりの4月上旬に花粉付けは行われる。クラスが変わったばかりの子供たちは、はじめのうちはお互いにぎこちないが、梨生産者の説明を受け、作業をしながら打ち解けてゆく。羽毛でできた梵天棒を使い、一生懸命に作業を行う。観察記録には子供ならではの発見や疑問が書かれてゆく。
6月になると、3センチほどに成長した梨に袋掛をおこなう。「梨が落ちないように注意してください」という説明に、子供たちの顔は真剣そのもの。袋掛を終えた後は、畑の中の好きな場所で梨のスケッチをしてもらっている。初夏の風に揺られ、子供たちに描かれた梨の絵は、秋の市民祭りで市民に公開される。
二学期が始まったばかりの9月に収穫体験は行われる。袋掛時の何倍にも大きく育った梨の実に驚き声をあげる子供たち。家に帰り家族と食べる梨は、きっと今までで一番美味しい梨だろう。